いつものノリっていったらいつものノリなんだろうけど、「三途の川」と「奪衣婆」のシークエンスはブラックユーモアを通り越して悪のりの域。いくらファイナルとはいえ三國連太郎と死を隣接させるのは、あまり趣味が良くないように思うな。でも、最後の最後に出てきた谷啓を見たときは、ちょっと驚いた。三國連太郎よりも老けて見えるし、健康状態があまり良くないようで心配だ。

どうせ松坂慶子を使うのなら、もうちょっと芝居のしがいがある話にすれば良いのにもったいない。吹石一恵とのエピソードや 塚本高史・平田満・角替和枝と「家族」になっていく様をもう少し丁寧に描いても良かったと思う。悪のりシーンに使った時間をこっちの方に充てたらもう少し違った風味の作品になると思うが。

ともあれ、シリーズ完結編として一応まとまってはいたと思う。

全作通して観たわけではないのでフェアではないが、私的傑作は第一作。

《追記　2010.09.11.》 この映画のレビューで健康状態について触れた谷啓氏が死去されました。エンターテイナーとして一つの時代を築かれた方でした。謹んでご冥福をお祈りします。