[コメント] 眠狂四郎多情剣(1966/日)
冒頭の暗殺宣言から、カメラは物語を綴るのではなく徹底して「映画」を描く。人物たちは、極端に強調された画面の奥行きや、左右の広さという距離を頻繁に出入りし、また潜むように固定されたカメラ視点が、ある時には手持ちとなって重層的に人物を追い続ける。
物語の展開や人物の心理描写を超えて、この「映画」の構造そのものが、追う者と追われる者の緊迫感溢れるラビリンスと化している。そこに、この作品の凄みと井上昭監督の才気を感じる。
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