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[コメント] 牡蠣の王女(1919/独)

失礼ながら“こんなナンセンス喜劇”に注ぎ込まれた人員の多さとセットの豪華さに驚く。オッシー嬢の弾けっぷりも凄いが、金満に麻痺し何もせず寝てばかりいる成金ヴィクトル・ヤンゾンのふんぞり返った「裸の王様」のような威容が醜く滑稽で、不気味でもある。
ぽんしゅう

同じ執事でも、自分では一切動かない社長の周りにへばりつき、文字どおり手足となって世話をする役は黒人で、白人の執事たちは邸内を自由に動き回るのだが、この違い(身分差)は当時の観客にとっては自明のことだったのだろうか。それともルビッチの批判が込められているのだろうか。

まさに工業製品のようにカタログ化(商品化)されてしまった婿候補(貴族男子)たちに、身分の残滓にすがる斜陽貴族と隆盛著しい商業成金の関係に込められた皮肉が面白い。当時22歳のオッシー・オスヴァルダ嬢のもったいぶった入浴シーンは観客へのサービスなのだろうか。

(評価:★3)

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