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[コメント] 逃走迷路(1942/米)

初めて観たヒッチ映画は確かこれだった。中学生の頃だった。それ以来ヒッチを追い求めることになった。幸福な映画との出会いだった。いまだに映画を観続けているのは、あの日のあの瞬間に再び出会いたいからかもしれない。
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画館に行ったりビデオを借りたりするお金もなく、もっぱらテレビで映画を観ていたころに出会った。これの前後に淀川先生の番組で『裏窓』や『知りすぎていた男』も観たと思う。白黒画面がとても新鮮だった。テロップに「これは白黒放送です」と出ていたのも忘れられない。学校に行けばヒッチのひの字も知らない友人に「ヒッチコックがすごい」「ヒッチコック映画が面白い」とばかり言っていた。あまりにも純に映画にのめりこんでいたあの頃。

影を巧みに利用したファースト・シーンから始まって、もうもうとたちこめる煙にワクワク・ドキドキしたらもうヒッチ・マジックのとりこになるだけ。いかにも悪人そうなフライの顔、誰が味方で誰が敵なのか不安定な状況に置かれた主人公(必死なはずがどこか楽しんでいるようにも思えるヒロインとの逃避行はヒッチ映画の定番)、警官隊との追いつ追われつのスリリングさ、あまりにも軽いナチの扱われ方、パーティ会場でのサスペンス、進水式でのスリル、現実と虚構が交差する映画館のシーン、最後の自由の女神のシーンまで、この映画を観終わって当分「ヒッチコック」という名を忘れられない日々が続いき、他のヒッチ映画を追いかける日々が続いていくのだった…

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)Orpheus あき♪[*] muffler&silencer[消音装置]

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