[コメント] セイブ・ザ・ラストダンス(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
冒頭、車窓でブチャむくれている十代の女の子、千尋…じゃなかったサラは、一緒に暮らしていた親から突然引き離され、異世界にほおりこまれてしまった…。
今までの環境と180度違うスラム街に引っ越してきた主人公サラは、この異世界で出会った快活なあねご肌の少女リン…じゃなかったシャニールと、透き通るように白い美少年ハク…じゃなくて成績優秀な黒人美青年デレクに助けられ、生きていく力を自分の中に見つけていく。
その世界で生き延びるには、「いやだ」とか「帰りたい」とか言わずに、やおろずの人々が集う「クラブ(油屋?)」で「ヒップホップ」という踊り(仕事)を覚えなくてはいけない。「クラブ」でDJやってた人のいい男の子スニークが、釜爺(笑)。シャニールにおちょくられてたけど、この「クラブ」のダンスミュージックを配合する人物で、サラがここに入るための手引きをしてあげるのだ。
主人公を優しく導いていくデレクは、怖〜い湯婆婆…いえ、悪友マラカイに心を支配され、ヤバイ仕事をさせられている。それが元でデレクも身を滅ぼしそうになるが、主人公の純真な気持ちがその呪縛から美青年を解き放ち、破滅しかかった彼を救う。サラに語られるアドバイスは「自分の意思と力でなんとかすること」。愛で励ましあった二人は、ついにそれぞれ自分の希望した世界へと旅立つ切符を手に入れて映画は終わる。もともと住む世界の違う二人がその後どうなるかも、ちょっと気になるかな。
ストーリーにからむ社会問題が、アメリカでは人種差別、日本では環境破壊。語る手段が、一方はダンスミュージックで、一方は10歳のためのアニメというのも、両国の文化の違いをよくあらわしている。
私が意外に良かったと思ったのは、主人公サラが母親の事故を自分のせいだと罪に感じているところ。なぜか最近のアメリカの大作映画の登場人物にはこのようなナイーブさに欠ける人が多すぎる。
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