[コメント] レ・ミゼラブル(2012/英)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ミュージカルというカテゴりーはたぶん1930年代以降に爆発的に広まったものと思われます。
とくにハリウッドのMGMはミュージカルを大量に製作した会社でしたね。
何より、第二次世界大戦が始まるまで、それまでサイレントだった映画がトーキーになってミュージカル映画として世界に発信されるのは必然で、それまでミュージカルっているのは、わざわざ劇場に行って一日1回(か2回)ぐらいしか鑑賞できないレアな体験だったわけです。
それが一気に映画というツールを使って世界に広まった。これが簡単なミュージカルの歴史でしょう。
なんで下火になったかは、また別の機会に考えます。
ではイギリスのミュージカルっているのは近年どのような作品が作られているかといいますと、私が見た範囲ですと『オペラ座の怪人』とか『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が2000年代のミュージカル。つまりほとんどの作られていないというのが現実ですね。(『オペラ座の怪人』なんか結構好きな映画なんですけどね)
さらに遡ると、私が映画少年だったころの1970年代では、大好きなジョディ・フォスターが主演の『ダウンタウン物語』とか『Tommy トミー』とか『Tommy トミー』あたりが懐かしいですね。
で、実はこれ以前のイギリスのミュージカルって作られていなんですね。
やはり映画はハリウッド。
ハリウッド資本の入らないミュージカル映画なんてクリープを入れないコーヒーのようなものなんでしょうね。
さて、本作ですが、これは実にすばらしい映画になっていました。正直驚きました。
ミュージカルというと私のトラウマ的な記憶ですと『メリー・ポピンズ』とか『サウンド・オブ・ミュージック』とか、台詞が盛り上がって歌になる、というイメージでしたが、この作品はほぼすべての台詞が歌なんですよ。
しかも聞くところによると、すべてその場で録音しているとかで、俗に言うアフレコはなし。臨場感たっぷりに役者が演じて歌っているため、その息づかいやら汗やら画面から噴出してきそうな迫力です。
しかもCGを存分に使った映像でリアリティーを演出していて、歴史大作とミュージカルが見事に融合している作品となりました。
特にアン・ハサウェイさんの熱演が見事です。彼女の命がけとも思える演技を堪能できただけで、この映画には十分な価値があると思いますね。お見事でした。
年の瀬に感動あふれるミュージカルを体験できるなんて予想外でしたねー
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