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[コメント] ゼロの焦点(2009/日)

野村芳太郎監督の作品とは全く異なります。別物です!
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画が封切られた頃、まったり自宅で1961年に製作された野村芳太郎監督の作品を見たわけです。

それは、時代がまだ戦後の名残を残す時代でもあったことで、臨場感が漂うすばらしい映画だったんですね。

特に川又昂さんのカメラと橋本忍さんの脚本が見事にマッチしていて、しかもモノクロの時代性を見事に表現していました。すばらしい作品です。

さてあれから半世紀近く経過して、この映画が作られるわけですが、この原作の原点となる戦争の傷跡はとても今実感として得ることのできない時代であって、そんな現代でこの映画がどのように表現されるか、少し緊張して拝見しましたが、いやぁ犬童一心監督の演出は見事でした。

特にラスト近く。

このドラマが最後の最後で見せる恐怖。そして秘められた過去の暴露。

この対比がすごい、すごい、すごい。

前作の久我美子有馬稲子を現代に再現できるのか?

とても心配しましたが、木村多江さんも中谷美紀さんもとてもすばらしい演技でした。

あの断崖絶壁でもみあうシーンもすごい。

この二人が過去を巡って対立する雪のシーンは圧巻でしたね。

VFXを使った映像技術もすばらしいのですが、もっと泥臭くて良いのではないかと思いました。

でもこの原作を現代に蘇らせる勇気に拍手を送りたいですね。

見事でした。

2010/12/13 自宅

(評価:★4)

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