[コメント] ブッシュ(2008/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
『ブッシュ』=この映画の原題である「W」という仕掛けに唸らされます。凄い発想だなーと感心してしまいました。見事でした。
この映画を見てアメリカ国民はどのように思うのでしょうか。
自国の大統領の経歴がこのようにだらしない青春を過ごしていたことを思えば、いくら自由の国だとはいえ、親の七光りに8年も大統領を任せるとは、深刻に悩ましい現実をつきつけられる内容だったのではないでしょうか?
でもこの映画はそんな悩ましげな現実を、ある意味クールにドライで、しかも面白く描いているところに恐ろしいほど魅力を感じました。
マイケル・ムーア監督の『華氏911』とセットで見ると、もっと楽しめるかもしれませんね。
それにしても個人的には、この映画にエレン・バースティンが出演されていることに熱いものを感じました。
最初見終わって、いったいどこに彼女が出演していたのかわからないほどに老いていたのですが、なんとブッシュシニア(ジェームズ・クロムウェル)の奥さんで白髪頭のおばあちゃんが彼女だったとは驚きでした。(しかも実物にそっくり)
大変お恥ずかしいお話で恐縮ですが、私は彼女がまだ『エクソシスト』や『アリスの恋』の頃で活躍されていた頃のイメージしかないものですから、あまりにも老いてしまった彼女を彼女と認識できませんでした。
1970年代を代表する女優としてオリバー・ストーン監督が彼女をこの役で使ってくれたことに感謝したいですね。見事な演技だったと思います。
オリバー・ストーン監督は徹底して歴史に潜む現実を生々しく描くことのできる凄い才能を持った監督ですよね。
この映画のタッチ、語り口の見事さに圧倒されてしまいました。
2009/12/26(自宅)
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