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[コメント] 闇の子供たち(2008/日)

生々しい現実をどのように受け止めて良いのか。咀嚼できない。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







要するに経済的な比較と政治的な比較をすれば、この映画の中で展開されている「グローバル化」の行く末を暗示してうるような気がしてなりません。

日本人の少子化に対し、その子供たちの臓器移植について、外国で金銭取引があるとなれば、逆に人口増加傾向にあるアジアの国の子供の命が奪われているということは、この2国間の違いは何なのだろうと考えます。

少子化=金がある 人口増=貧しい

この関係で取引されるものが人の命であったとしても、その国のどこかで、この取引(違法であっても)で経済が成立することが現実としてあるわけですね。

そしてODA(政府開発援助)である。日本の税金が貧困国の経済に政治的な影響を及ぼしているということであれば、お互いの国はそれで利益を享受していろい、貿易のバランスが保たれうるのかもしれません。

この政治と経済の対比(比較)を行うと、この映画のつきつける現実はもっと深く、情緒的な世界から現実世界、果てはアジアの未来をも複雑化させることになるでしょう。

果たしてここで語られる人の命とは、いったいどんな価値があって誰のためのものなのでしょうか。

先日見た『ブタがいた教室』という映画では、ブタの命について、小学校卒業間際の児童が激論を交わします。

それが視野を広げてアジア(世界)の環境に及ぶと、途端にこれが人の命となって現実化してくるわけですね。恐ろしいお話です。

私は正直申しまして、この映画を自分で噛み砕く勇気がありませんでした。ゴミ袋に詰め込まれた"生きた”子供がゴミとなって生産される。この現実を正直に自分として咀嚼することができないのです。

あり得ない!

と思うからです。

日本ではブタの命が激論になる。 この国では人の命が”捨てられる”

この違いをどのように理解してよいのかとても迷うのですね。

本当に辛い映画でした。

評価するのもつらい映画でした。

2009/05/04

(評価:★3)

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