[コメント] 初恋のきた道(2000/中国)
『初恋のきた道』などというヌルい題名に、三つ編みの章子怡(チャン=ツィー)がもんぺ穿いてクネッてるポスターで観る気がする筈がない。俺は今日までこの映画を放置してきた。いや、実は2回DVDを借りて期限が切れて返していた。… すまん!俺が悪かった!というか、この邦題とポスター何とかしてくれ。
cinecine団さんによると、この映画は或るハリウッド大作に対する張芸謀(チャン=イーモウ)監督の挑戦状であるとの事。サイマフさんの文章を見るにそれは『○○○○ッ○』の事なのか。しかしぼくは今日この映画を観て、『コールド マウンテン』('03)を強く意識した。方や学校の建設、方や教会の建設。間違いない、『コールド〜』の制作陣はこの作品を強く意識している。『コールド〜』の構成要素として重要な戦争(南北戦争)の要素がこの『初恋のきた道』にはない。しかし(男)女の恋慕の強さは『コールド〜』を凌いでいた。否、ジュード=ロウとニコール=キッドマン2人を以てしても、章子怡1人(もしくは+張芸謀)に敵わなかった、という事だ。章子怡をこの映画から観ていかなかった自分の不明を恥じる。
娘の側からの「一方的な恋」を徹底的に描く驚異の田園アイドル映画であるが、そこに挿入される生活の実感(料理や食事の描写)がまた圧倒的だ。『たそがれ清兵衛』('02)にも影響を与えているのではないだろうか。
新任の教師が小学生たちを連れて野辺を行く。近代教育黎明期の光景に、ぼくは何故か『春男の翔んだ空』('77)という作品を思い出していた。あの時、野杉先生(永六輔)は中国の偉人魯迅の言葉を引用する。「もともと地上に道はない。みんなが歩けば道が出来る」と。
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