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[コメント] 人間の條件 第1部純愛篇・第2部激怒篇(1959/日)

主人公梶とその妻を中心として、彼が労務管理を担当する満州鉱山を舞台に物語は進む。想像力が喚起される部分もあるにはあるが、狭い現代日本で暮らす我々から見て、『戦争と人間』('71~73年)と較べるとどうしても作品世界が小さく、狭苦しい印象が残った。
死ぬまでシネマ

兵役逃れの炭坑勤務で自分なりの闘いが出来た(少なくとも試みられた)梶は、当時の日本人としては特殊な部類に入ると言っていいだろう。しかしこの初篇で描写された様々な事が、物語の終盤に見事に対照として浮かび上がり、主題である「人間の條件」を問う原動力となる。それは戦後60年を経た今も尚、われわれに問い続ける事となるのだ。

(評価:★4)

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