韓国版『ミッドナイト・エクスプレス』with Love in アルジェ。

『シュリ』('99年)の萌芽がここにあった。

アクションこそ少ないものの、北朝鮮兵と韓国人女性との恋愛を描いて北朝鮮を全然悪く描いてない。驚くべきは映画の最大のアクションシーンは、軍事顧問のハンが指揮する北朝鮮操縦士救出作戦なのだ。それを丸で自国(韓国)の作戦のように描いている。国交の無い敵国=日本人からすると納得いかない、という事になるのかもしれないが、寧ろ韓国映画が敢えてそう描く重さを受け止めたい。

フランスから独立を勝ち取ったアルジェリア人であるモハメドは「あなた方の国では愛するひとに手紙を出す事さえ出来ないのですか」と言い、それが布石となって、最後にイ=ヒャンをアルジェに呼び戻すのはモハメドの手紙の言葉「インシャラー」なのである。

映画の冒頭友人ヒロシは、自分だけ自国の外交官を連れ立ってヒャンを置き去りに出国してしまう(日本人には見えんが)。民族分断の悲劇はわが国の観客にとっても痛烈な刃だ。日本であれば薬師丸ひろ子が『探偵物語』するだけの、女子大生の火遊び旅行なのに…。

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映画デビュー作だけに尚更、クムジャさん=ヨンエさま、○乳でもいいです。お美しい…。