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[コメント] みなさん、さようなら(2003/カナダ=仏)

大きな評価の割には詰まらない話だったな、と言うのが第一印象。みなさんのコメントを読んで成程、参考にはなったが…。
死ぬまでシネマ

感じた方も少なからず居るだろうが、まず連想されたのは翌年に創られた『海を飛ぶ夢』(スペイン/アレハンドロ=アメナーバル監督)。『海を飛ぶ夢』に較べてこの作品は余りに淡泊で軽妙で、或る意味冷淡だ(冷笑的ですらない)。これは監督や俳優の個性によるのかお国柄の影響もあるのか…。

キツネさんを始めとしてコメテータの皆さんのレビューは参考にはなったものの、今ひとつピンと来ないというか、釈然としない。主人公のレミ教授に対して立てられた息子が、資本主義の中心に位置し尚かつヤリ手なのは解るが、肝腎のレミの方が息子の対立軸として成立してない。レミは人生の中で変遷し、何処へ行ったのか。息子とのやり取りの中で浮き彫りにされるのかと思いきや肩すかしを喰らった。教授が「バリバリの社会主義者」である(或いはあった)必然性はあるのか? すると『グッバイ、レーニン!』(ドイツ/ウォルフガンク=ベッカー監督)にも及んでいない事になる。

それぞれがそれぞれを生き(詰まりは踏み込まず)、しかし助け合う(当たり障り無く)、というのは個人主義の理想のようではあるが、この映画は問題提起をしようとかその解答をだそうとかする力強さはない。何か新しいものを提示して貰ったような満足感は得られなかった。どうもこの演出スタンスは頂けない。

(評価:★3)

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