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[コメント] サイレンス(1998/仏=イラン=タジキスタン)

日常の情景からわずかなギアチェンジで幻想的な迷路に連れていってくれる演出はさすがです。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







このまえBSで放送されたやつ。マフマルバフ監督は「パンと植木鉢」しか見たことないけど、これは映像テクニックというより全篇にわたって幻想的な味わい。ちょっとつかみどろが無いのだが、それでも妙に惹きつけられてしまう映画。

盲目の少年なのだが、特別扱いされず普通に社会に溶け込んでいるのがいい。しかし、音に対する感性は強く、魅惑の旋律を求めてさまようシーンが繰り返されて、見てる方も不思議な体験を味わってしまう。

中近東の音楽がふんだんに流れて、いろんな楽器も見れて楽しい。しかし、少年は放浪癖のために仕事場に遅刻を重ねて親方の怒りを買いクビになってしまう。しかも家賃も払えずに母親ともども家を追われる。このあたり非常にシビアな現実も見せつけられて、微妙な気持ちになってしまう。ラストは「フランダースの犬」なみに美しくて悲しいテイスト。でも死んでしまうわけでもなく悲劇を言いたいわけでもないのだろう。ホント不思議。どう言えばいいんだろ。

少年が馬の走りをまねて水辺を走るシーンとか、感性の赴くままに音に身をゆだねるシーンは素晴らしいです。

(評価:★4)

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