父親の歪んだ愛情がデイビッドをひん曲げちゃったわけで、父子の再会の時の邂逅もあまり感じられずにその後の父は墓の中・・。大事なポイントだったはずの父子の愛憎確執が解決されずじまいでは爽やかも癒しもクソもない。なんだか後味の悪い映画だった。

独裁者に権力を集中させると偏向した教育を行ってしまうという、どこかの国にもあるようなお話。親父の器の小さい人間ぶりがなんとも情けない。実話に基づいているらしいので制約があるのかもしれないが、彼の弱さがどこからきているのか、祖父の代に遡った回想シーンが欲しかった。再会と墓参のシーンも実話と違っていいから肉付けして欲しかった。

ジェフリー・ラッシュが賞をとっちゃったけど、見せ場的においしかっただけで、精神に異常をきたす葛藤が描かれる幼少・青年期の方が重要なはず。ノア・テイラーが一番光っていたと思うのだが。