コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 二百三高地(1980/日)

仲代達矢の高潔な人格者・乃木将軍は素晴らしい。でもこんな将軍の下で戦争はしたくない。あおい輝彦の中尉のセリフに烈しく同意。でもあおいの役は消化不良なんですよね。伊豆大島でロケの突撃シーンは大迫力。
raymon

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







10年ほど前に90手前で死んだ祖父が、臨終間際うわ言のように「ノギさんに会った・・・」と繰り返してた。

祖父が実際に乃木希典に会ったとは思えないが、明治生れの人間にとって「軍神・乃木将軍」の偉大さを平成の世に感じた。

仲代達矢は乃木の「軍神」としての高潔な倫理観、多くの将兵を死なせた「人間」としての苦悩をよく表現した。ラストに明治天皇(三船敏郎)に謁見するシーンは胸が詰まる。それにしても、現在明治人の顔が出来る役者が少なくなったのは寂しい限り。

そう言えば昔は、夏になると「終戦記念特別企画」とかでよくテレビで再放送していたのに、最近はとんとご無沙汰ですね。若者にこそ見てもらいたいのに・・・

ところで、なんと言ってもこの映画の一番の主役は突撃シーンに出てくる無名のエキストラたち。「大島裏砂漠」の荒涼とした景色の中で、無意味に突撃しては若い命を消耗品として散らして行きます。こんなに命を大事にしないなら、日本が後の戦争に負けることになっても当然の気がします。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)sawa:38[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。