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[コメント] スクール・ウォーズ HERO(2004/日)

期待しないで観たので、最後までは観られたもののノンフィクションだとはいえ、脚本は、もっと練る必要がある。テレビ版より軽い印象と言うのは罪。昭和っぽい風景の再現は評価。照英間寛平が親子に見えた。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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テレビ版の山下真司をなぞるのではなく照英が理屈じゃなく生徒たちを、がむしゃらに支える感じは演技力と言うより、デカいタッパで表現されていて好演。 説教臭い山下より、役柄的には生徒たちの信頼を掴みそうな雰囲気は十分に漂わせていた。

ボロ負けした生徒たちに気合いを入れるシーンが、ビンタどころか、握り拳で力一杯殴り倒してるのが、普通に生徒が骨とか折りそうで、もう少し演出を緩くしてもいいだろうと絵的に感じた。

テレビ版も生徒たちが特別に個性的では無かったものの映画はそれ以上に華がなく、(一応内田朝陽がメイン?)、イソップに該当する病弱の役柄の尾上に関しては最初、吉本の芸人が多く出ていたので品川庄司の品川かと本気で思った。…。 さらに、尾上は白血病の設定ではあるが、胸を抑えたり、病室も一般病棟ぽく、その辺が適当なのが気になった。 また尾上が残した部員たちのイラストが変に手慣れて手先で描いた漫画家風で大笑い。小道具まで繊細にこだわらないと映画はすぐに雰囲気がぶち壊れるとつくづく痛感。

SAYAKAは「ドラゴンヘッド」よりは表情も見え華を添えるが、母親程に貪欲さが感じられず、すぐに画面の脇に消えてしまう印象。もっと存在感を発揮して欲しかった。 和久井北大路らは友情出演で出ました的、雰囲気が全身から漂っていたが好演。

「タイタンズを忘れない」などを観てても思ったが、試合シーンの挿入はともかく、観せ方は映画として考えなければならないと思った。 本物の試合の名場面なら良いが、結局映画の作られた試合シーンであるし、よほど観客の心に訴えないと白け、間が持たず難しい。 誇り舞うグラウンドを全身でぶつかって行く競技としての絵は迫力はあるのだが…。

結局、先の読める展開でえらくあっさりコンパクトにラストにいたるが、昭和テイストに溢れるノスタルジーを適度に感じさせる風景や人々の服装やカルチャーは評価。

昨今の、キレる生徒に頭のあがらない教師たちには、少しは刺激にはなりそうではある。 とりあえず観客より映画の中の人物たち同士の感動の方が大きく温度差を感じるが、最終的に”ノンフィクション”という言葉が寛容にしてしまうから怖い。

(評価:★2)

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