[コメント] モナリザ・スマイル(2003/米)
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50年代の閉鎖的な女子教育に置いての解放とか、革新的な魅惑的な講師(ジュリア)と個性的な生徒たち(キルスティン、スタイルズetc)との交遊とか、もっと丁寧に描き込めば感銘を呼びそうな要素は多し。ところがスクリプト(脚本)や演出が粗雑で酷い。ジュリアがBFの婚約を唐突に破棄し、イタリア語講師とあっさり寝たりする心情描写がゼロだったり、優秀なスタイルズの進学破棄のシーンの描き込みや心情描写も中途半端で緩い。セックス依存症のギレンホールも単なるネタの彩りに扱われてるだけ。離婚して親の支配下から逃れることにしたキルスティンにしても毛嫌っていたジュリアと唐突に和解していて、その辺りの描写がゼロで、何のこっちゃ???。生徒たちで唯一きちっと描かれエピソードとして秀逸なのは、BFを自身の勇気で、きちっと取り戻せたグッドウィンくらい。情緒不安定気味のストイックな作法講師を演じたゲイハーデンは相変わらず達者な演技で好サポート。前半で退任させられたレズビアンの講師のエピソードなど掘り下げれば面白かったかもしれない。作品としては全体的に表面的で中身が薄い印象だが、ヒロインのジュリアだけでも核があれば何とかなったかもしれない。が、本作のジュリアの設定がチャランポランなばかりか、いつもよりウェイトもダウンしていて弱々しく、快活さが無いのがスクリーンから精彩さを奪った。このヒロインの設定では元気が無いと話にならん。個人的にジュリアが息を呑むポロックのシーンは好き。アブストラクトではポロックは本当にセンスがある!。
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