以下、『ギター弾きの恋』のネタバレもかなり入ってます。御注意下さい。

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　この映画『ギター弾きの恋』とほとんど同じですね。（それともそんな事は映画界では常識なのか？）私はそっちの方を先に観ていたせいか、新鮮さは感じませんでした。

以下、二つの作品を思い出しての感想です。

　『道』でジェルソミーナはザンパノの事を愛していたかというと、それは違うと思うし、どちらかといえば嫌いだったかも。特に殺人後は。ザンパノにひたすら振り回されて、ジェルソミーナの不満も描かれていたので「自分でも好きか嫌いかよく分からないけど、好きになるしかしょうがない」愛に見えました。

　対して『ギター弾きの恋』でハッテイはエメットの事を、かなり愛しているように見えました。（多分口が利けない、という設定が純愛に見せるには良かったのかも。）振り回されているという印象も、従順なハッテイの性格のおかげで感じませんでした。

　だからエメットがハッテイを捨てた時は、「なんて事を、後悔するぞ」と思ったのに対し、ザンパノがジェルソミーナを捨てた時は、「ああ、良かったねジェルソミーナ」という気持ちに。

　そしてラスト、『ギター弾きの恋』で泣き崩れるエメット、不覚にも私も大泣き。「わかるわかる、その気持ち。」

　それに対して『道』で泣き崩れるザンパノ、以外にも私は冷静。「わからんでもないけど、お前が悪いだろう。」何でしょう、この気持ちの差は。

　多分その一つは先にも書いた通りヒロインの気持ちの描き方。不満もあった、逃げ出したかったジェルソミーナに対し、純真無垢のハッテイ。

　そしてもう一つは、『ギター弾きの恋』ではエメットが主人公で、彼のダメ人間ぶりをたっぷり描いていたのに対し、『道』ではジェルソミーナが主人公で、彼女の苦悩ぶりがたっぷり。私は男で、しかも自称ダメ人間なので、エメットの方に感情移入が容易かった、という事でしょう。ザンパノのダメ人間ぶりがたっぷり描かれていたらまた違った印象を受けたかも。

　という事で私の場合は『ギター弾きの恋』のほうに共感した、という事です。あら？これは『道』のreviewなのに！　

　でも『道』は面白くなかったか、といわれるといや、充分面白かったです。多分こっちを先に観てたら『ギター弾きの恋』が「これ、『道』じゃん」となって面白くなかったのかも。結構観る順番で評価が変わったりしますからね。どうなんだろう？それはわからないですけどね。

　いやー長々と書いてしまった。読み返してみると散々としていて恥ずかしい。長文を綺麗に書くのは難しいですね、勉強しなきゃ。