ＪＢ愛してるなら、たぶん、もっとＪＢの何がかっこよくてどれくらい凄いのかを西田敏行にかぶせるはず。この西田ではけったいなおっちゃんが無茶苦茶やってるだけだ。正直、終わってしばらくしてから「あ、このおっさんの人生とＪＢの人生をだぶらせようとしたのか」ってのに気がついたぐらい。それぐらいＪＢの存在感とは掛け離れている感じ。いやー、これじゃ無茶苦茶なくせに歌わせたらピカ１だってのが同じだけです。ついでに刑務所に入るって所も一緒か（でも御大は刑務所内でも王様状態だったっつー話だ）。裁判で拳銃ふりまわすぐらいのシーンも欲しかったな。

まぁ、西田敏行の「セックスマシーン」に乗せた大阪弁でのしゃべりはバツグンに良かったけど。あれは実際、日本人でなかなか真似しようとしても出来ないよ。うん、あれは凄い。あの瞬間は「やるなぁ」と思った。どうせなら、そのまま悪乗りしてマントショーとかまで披露して、映画の後半をほとんどＪＢライブと化しても良かったのでは無いだろうか（ちょっと矢口監督チックだけど）。観客は置いてけぼりを食うかもしれないが、ＪＢファンなら食いつくと思う。ていうか、最初からそーゆーファンに向けて撮ってないから、こうゆうけったいなＪＢになってしまったのか。いや、ＪＢに憧れるいいおっちゃんがJBを気取って踊る姿はけったいなんだけどな。このけったいさは『グレイスランド』でプレスリーに成りきるハーヴェイ・カイテル以来かもしれない。ＪＢ本人がけったいかどうかは微妙だ。

にしても、みんな辛口やね。評する井筒監督と創る井筒監督は同じ井筒監督という名前でも別人なわけですよ。でないと自分にも同じ言葉が跳ね返ってくるよ。プロもアマも関係無しに。