[コメント] スターダスト(2007/米=英)
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ある意味「ママ上さま」も出てくるし。でもこの作品、ファンタジー映画というよりも昔の青春ラブコメに近いノリがある。
ここのところ重厚な世界観やら説教臭いファンタジー大作が続く中で、よくもここまでライトでキュートで「特にファンタジーじゃなくてもいいじゃん」という映画が作れたものだ。半分は原作の話題性で通った企画じゃないかと勘繰ったりもする。
しかもストーリーは中高生向けテイスト満載。流れ星の女の子にしても「じゃあキミが流れ星なんだね!」とかすぐに理解してしまうわ、強面の海賊(空賊?)が実は優しいオッサンだわ、終始ご都合主義に溢れたノリで、果たして『ロック・ストック・トゥー・スモーキング・バレルズ』『スナッチ』の製作をやってた人間とは思えない。
だが、この胸に込み上げてくる温かい気持ちは何だ。ひょっとして、頭が固くなってしまった大人たちに敢えて「子供向け」のノリで若かりし日々を想起させる「幼児退行型御伽噺」だったのか?
特別出演のピーター・オトゥールを始め、ミシェル・ファイファーやロバート・デ・ニーロなどの大御所を贅沢に使い、海外では無名に近い若い俳優たちを主役に置くあたりも絶妙と言えば絶妙。余計な色眼鏡で主人公たちを見ないで済む(それにしてもミシェル・ファイファーの演技の幅広さを再認識させられる)。
そしてやはり大事なのは「無償の愛」なのだな。そういうベタで王道な話には弱いのよ。目頭が熱くなっちゃうじゃないか。もう、クレア・デーンズが光輝くシーンなんてウルウルものですよ。
あと、意外にもコミカルなシーンが多い。『シュレック』ほどとは言わないが、実写のファンタジー作品でモンティ・パイソン作品以外で笑えるシーンが多かったのって他にあったっけ? 結構笑ったよ、今回は。しかもバカテイスト系の笑い。殺された兄弟たちが次々と幽霊になって状況を見ているシーンとか、デ・ニーロが嬉々としてカンカンを踊るシーンなんて「バカだなー」なノリですよ。これは予想外の収穫だった。
原作を読んでいないので「続編をぜひ!」というほど脳内感動補完はできなかったが、意外と楽しめる人には楽しめると思う。
クレア・デーンズが「星の子」でクイーンズぽい英語を喋ってるのが似合わないとクレームつけている人もいるようだが、あの役が在りし日のエマニュエル・ベアールとかだったら、彼女の美しさにばかり目がいってしまってお話どころではなかったかもしれない。
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