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[コメント] チョコレート(2001/米)

家族の絆を大事にする話は多いが、この映画の場合、断ち切って自分の人生を歩むことに重点が置かれている。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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看守と死刑囚の妻との人間ドラマ。

家族の絆を大事にする話は多いが、この映画の場合、断ち切って自分の人生を歩むことに重点が置かれている。

三世代同居で男だけの家族というのは、見るからに重々しい感じ。同じ職場のために家でも職場でも父ハンクになじられていた息子のソニーがついに限界に来て、銃で父を脅し、あげくに父の非道ぶりを恨んで、自殺してしまうあたりの描写はよく描けている。

子供の死をきっかけに人生の拠り所を失ったハンクとレティシアの偶然の出会いが、2人の新しい人生の出発点となり、次々と過去のしがらみを捨て去っていくところが興味深い。ハンクはレティシアを馬鹿にした父を施設に入れてしまうし、レティシアは死刑囚として死んだ夫の指輪を換金して、ハンクのプレゼントを買ってしまう。ある種、極端な気もするが、それが新しい人生へ向かう衝動の強さなのかもしれない。

一つ気になったのは、プレゼントを持ってハンクの家を訪れたレティシアがハンクの父にひどく言われ、ハンクを嫌いになるシーンがあるが、曲がりなりにも子供の命を救おうとしたり、無償で車を提供するなど、恩人に近い相手を第三者の言葉だけでハンクの言葉も聞かず、絶交してしまうというのは不自然な気がする。それだけ、白人の黒人に対する差別が根深いのかも知れないが、2人の恋愛関係を考えると、不自然な気がした。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)水那岐[*]

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