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[コメント] 彼女を見ればわかること(2000/米)

豪華メンバーに負けずにストーリーも良い出来。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







傍目には幸せそうに見えながらも心に深い悩みを抱えている5人の女性のエピソードで構成されたオムニバス映画。

ストーリー構成、演出がすごく斬新で、物語を追うごとに各エピソードの繋がりがはっきりするように構成されていて、全体的にダレた展開がなくテンポよくストーリー進む。

特に冒頭で自殺した女性がエピソードが進むごとに生前の様子が描かれているというのはアイデアとしては素晴らしかった。また各エピソードで主役だった人物が他のエピソードでは助演だったりとか最初のエピソードで交わされている約束が次のエピソードで出てきたりとか監督のストーリー構成のうまさ、演出の丁寧さが伺える。ラストのオチも申し分なし。

ストーリーの方もテーマ性という部分ではやや薄さがあるもののなかなか面白かった。

映画としてはストーリー構成も演出もこれまでにあまり見た事のない感じで、かつその内容がちゃんと最後のオチの伏線として生かされていてなかなか素晴らしかった。

「キーナー医師の場合」ストーリー自体はわかりやすかったがグレン・クローズの演技にストーリーが負けてしまいなんだかエピソードの終わり方が拍子抜けな部分も。ストーリーの最初のエピソードとしてはまずまずの出来だがこのエピソードのみで評価するとなんとなく物足りなさを感じる。              

「レベッカへの贈り物」ホリー・ハンターの演技は非常に素晴らしかったがストーリー的に前半での伏線があまり生かされずオチの部分での感動が薄くなってしまったのが残念なところ。ホームレスのナンシー役ペニー・アレンもなかなか印象深い演技だっただけにもったいなかった。

「ローズのための誰か」前の2本のエピソードに比べるとストーリー自体がコメディっぽく内容もロマンティックな感じで単調な気もするがストーリー自体は悪くない。1人の主婦の好奇心というか冒険心の描き方も素晴らしかった。キャシー・ベイカーが演じたローズは普通に主婦のおばさんなのだが演技がどこかかわいらしくて良かった。                                                                 

「おやすみリリー、クリスティーン」この作品のエピソードの中では一番テンポが良かった。リリー役のバレリア・ゴリノーの演技が素晴らしい。キャリスタ・フロックハートも中々良い演技をしていた。内容的には『マイ・ハート、マイ・ラブ』のエレン・バースティンのエピソードに近い感じもあるが、最期が近い同性愛者の恋人の死を本人よりも恐れているクリスティーナの悲しみが上手く表現されていて素直に感動できる。                                                 

「キャシーを待つ恋」正式には主役はキャシー役のエイミー・ブレネマンと妹のキャロル役のキャメロン・ディアスの2人。ただなぜかキャメロンだけ主役として取り上げられエイミーが助演扱いされているのはちょっと気がかり。しかし主役が2人もいるのにストーリー的なバランスがしっかりとれていて、どっちかが霞んでしまうという事がないのには関心。演出面も一番優れている。出来ればキャシーのエピソードのオチのためにもう少し前半でキャシーと恋人との間にエピソードを作って欲しかった。

(評価:★5)

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