妻と子供を殺された男の復讐劇を描いたアクション映画｡

序盤から簡単に無法地帯の世界を描いて､いきなり警察対暴走族の逮捕劇を展開しているので､このまま警察の話だけを描くだけかと思いきや､小出し小出しに終盤の復讐劇への伏線を作っていって､最後には続編に含みをきたす形で終結させているあたり､なかなか丁寧な作りで好感が持てる｡前作からの決着を描いた続編があることを前提にすればシリーズの１作目としてはなかなか評価できる｡この作品だけだと消化不良な印象になってしまうが｡

ちなみにこの映画の見所というか印象的なシーンである､マックスの妻子がバイクで引かれるシーンは今観ても衝撃度はあるが､マックスの妻ジェシーはその前に一度暴走族の親玉トゥーカッターに襲われているのに､わざわざ単独で浜辺に向かうのはちょっと危機感がなさ過ぎる気がする｡

またこの映画ではマックスもジェシーも子供をあまり大事にしているような描写がないため､終盤のジェシーにしてもマックスにしても子供を命がけで守ろうという意思があまり感じられないのが残念｡

キャラとしてはメル･ギブソン演じるマックスの家族を失う前の家族に見せる笑顔と失った後での冷酷な表情のギャップもインパクトがあったが､個人的には終盤でジェシーの子供を暴走族から引き離すために散弾銃だけで単独で戦いに挑む牧場主の老婆メイが実に勇敢で､マックスの復讐よりも印象に残った｡