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[コメント] シベールの日曜日(1962/仏)

終盤、ピエールと心を通わせた少女が自分の本当の名がシベールだと教えるところはパトリシア・ゴッジの演技上手さもあって、なかなか感動的だった。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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戦争で記憶を失った青年と父親に捨てられた少女の純愛を描いた映画。

孤独だった青年が駅で出会った少女と心を通わせるうちに年齢をも超えた純愛へと発展していくわけだが、一見この少女は自分のためにピエールを翻弄する自由奔放な女の子に見えても、子供ならではの純粋さ故の行動という感じも伝わるので、それほど悪女っぽい雰囲気はなかった。ピエールと少女がお互いに心を通わせていくうちに、純愛になっていく展開が丁寧に描かれていて、素直に感情移入できるところにも好感が持てる。

終盤、ピエールと心を通わせた少女が自分の本当の名がシベールだとピエールに教えるところはパトリシア・ゴッジの演技の上手さもあり、なかなか感動的で、それだけにラストは悲壮感だけが残る切ない終わり方だった。

しかし、それにしてもラストでピエールを捜索するために憲兵隊まで呼ぶというのはいくらなんでも大袈裟すぎる気がする。

ピエールが周りの人たちに危害を加えるような行動をしていればまだ納得できるが、特にそういう問題は最後までなかったし、いくらピエールが戦争後遺症で少女を殺すかもしれないと言っても、恋人であるマドレーヌに許可もなく勝手に呼ぶのは非常識すぎる気がする。

年齢を超えた純愛を描いた映画としてはなかなか感動できるが、ラストはもう少し救いようがあってもよかったかなという気もする。

(評価:★4)

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