ヒーロー･アクション映画｡『ブラックマスク』の続編｡

前作を見ていなくても序盤の敵の会話シーンで主人公と敵の目的がある程度わかるところは好感が持てた。

ストーリーとしては『バットマン』系のダークヒーロー映画の雰囲気で内容的にも色んな映画のいいとこ取りだが､香港のアクション映画らしい誇張で大袈裟な演出にせずアメリカのアクション映画に近い演出にしたことでヒーロー物としては悪くない作りとなった｡ラストも次回に含みをきたす終わり方で続編が作られれば楽しみ。

見所としてはこの映画の売りであるワイヤーアクション炸裂の格闘シーンが非常にかっこいい。特に終盤のスマッシュマウス､ブラックマスクを狙う敵の集団との三つ巴の格闘シーンが大迫力｡前作ではジェット･リーが演じていたブラックマスク役を今回演じるアンディ・オンはヒーロー特撮番組に出てくるお兄さんみたいでかっこよく､映画の雰囲気にもぴったりで上手い配役｡ヒロイン､マルコ役テレサ・マリア・ヘレラも美人で申し分なし｡

ただ難点も多く､中盤までブラックマスクを狙っていた集団スマッシュマウスが終盤に同じ目的のもつ謎の集団に利用されるのだが､その謎の集団の行動が前半以降全く描かれないのでちょっと唐突な印象｡それとスマッシュマウスも出番の多さの割に今一つ活躍度が弱い気がする｡またスマッシュマウスのカメレオンがブラックマスクの言葉で善人側に寝返りイグアナの敵を討とうとしてるのにあっさり死んでしまうのも､もうちょっとフォローして欲しかった｡

最初見た時は序盤のブラックマスクと科学者の日本語の会話シーンが酷かったので心配したが､最後まで見てヒーロー物の映画としてなかなか楽しめる良作であった｡