コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ゆれる(2006/日)

裁判を私情でつかうな。
ちわわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今回は、良識的にかんがえてはらがたってしまった。

人間はそれぞれが私情で動くし、人にたいする憎しみをもつことも ままある。

友情がすぐに反転するときもある。 でも裁判はそういう私情に動かされる ものであってはならない。 一応そう思う。

でも、本当に人間は私情を捨て去ることができるのだろうか? 公正であることができのであろうか?

そんなこともふと考えてしまった。 今の判決も、結構、世論に動かされたり しているではないか、と。公正さなんて、どういう権利で言えるのか、と。

そう考えると絶望的な気分にもなったりするのだが、この映画のテーマは もちろんそれではない。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「刑務所に入ってから、兄の人格が変わってしまったかのように見えた。 だから、兄をはめて、有罪にした。」

この「だから」ってのが、よくわからない。 好きな女が殺されたから、有罪にしたのだろうか? それにしては、プレイボーイが一時的に関係をもっただけにも見えるのだが。

もちろん、この映画を好意的に受け止めることも可能だ。 全編に漲る緊張感はうまく演出されているし、 役者たちも見事だ。 仲の良い兄弟だったふたりが、突然いがみ合う、その変化も見事だと思う。

しかし、二人の憎しみの実体が不明だ。 もてない兄のもてて社会的成功をおさめた弟への憎しみ、劣等感は わかる。だが、その憎しみをもとに、兄をはめる弟の憎しみの正体は わからない。 そこまで兄を善人だと思い込んでいたということか?

「弟が橋の場面を実際みていたかどうか」をわざと隠すことで、緊張感のある 演出を実現したわけだけど、そのつけが最後にまわったような、そんな気がする。

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)水那岐[*] カルヤ[*] 林田乃丞[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。