[コメント] シャイニング(1980/英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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一般に言う「ホラー映画」は苦手です。しかも、観客を怖がらせるためだけのものだったら、もってのほか。そんな私は、この映画がホラーであると聞いていたことでなかなか見る気になれませんでした。
たまたまCSで放送していたので見たんですが…。
いたく気に入りました。何度も見てしまいます。
この映画はホラー映画として評価するには「怖さ」が足りない。しかし、それ以外の点…例えば構図の美しさとかいった視覚効果などが充実しており、もうキューブリックのセンスに脱帽するしかなかった。主役となった家族を演じた3人もすごい。ホテルに到着する前から何となく(いや、かなり?)危険な雰囲気を漂わせていたところに凄みを感じました。
元々、今にもおかしくなりそうな家族に私は見えたけど、結局のところ幽霊に魅入られただけかもしれないし、ホテルにも家族にも問題があったのかもしれない。いずれにせよ、「怖い」という気持ちは人間の感情だから、その感情こそが底無しの沼みたいに恐ろしい深さがあって怖い。ひとかけらの恐怖や不安が更なる恐怖や不安を呼ぶのであって、あんなにナーバスな家族じゃなければ違ったストーリーになってただろうなぁ。それを思い知らされた映画でした。
ところで、あの熊みたいな着ぐるみのおじさんって何…。肝心なところで笑いそうになったけど、なぜか恐怖も感じるシーンですね(笑)。
小説と比べて内容の変更が激しいそうで、とても気になるところです。この先、小説版を読んでも映画は別モノとして楽しむんじゃないかなぁ。
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