[コメント] ファニーゲーム(1997/オーストリア)
一見、論理的(屁理屈ぽくもある)に語りかける狂人だが、ゲームの内容が一方的且つ妙に幼稚なのが逆に絶望感を煽ってくる。子供が好奇心から蟻の巣を水攻めにしたり、ミミズを虫眼鏡で焼いたり、セミを糸で縛り凧揚げ遊びをしたり・・・。誰にも思い当たる節があるのではないか。まさに本作の一家はそんな昆虫達の様だった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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虐げられてきた昆虫達が復讐の時を今か今かと窺っていた時、偶然にもハネケの精神と共鳴し意を交わす事に成功した。「立場逆転させたれ!」と昆虫達。でもハネケは昆虫が人間を襲うパニック映画スタイルはダメだという。趣味じゃないからと。そこで二人の狂人に成りすます事で合意。あながち間違った想像でもないだろう。真っ先に子供を殺ってしまうところを見ても合点がいく。
本作を見てキャッチコピー通り「人間が一番怖い」と思った人は間違いではない。だが、昆虫達も怒ると怖いんだよと、もう一度肝に命じなければならないだろう。(ホントかよ!)
「先に手を出したのはそっちだろ」と序盤で人間の姿をした昆虫がはっきり言っている。
たぶんハネケの思いも一緒な筈だ。「子供達よ、虫と仲良くな。虫けら扱いされたくなければね」と。
でも子供見ないしこんな映画!
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