[コメント] 鶴八鶴次郎(1938/日)
戦後の成瀬監督のタッチに慣れてから改めて観ると、とても新鮮に思えてくる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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戦前の監督作だが、恋愛とはちょっと違う(それも多少絡めてだが)、男女の仲を真っ正面から描いた作品。
物語のメインは芸のことで、大衆文芸も芸術に昇華させられるということが伝えられる。それがどんなものであれ、それに命を賭けるような人の存在あってこそ、それは芸術になっていくのだ。
ただ、本作の場合はそこまで重くはなっておらず、結構ノリは軽め。丁々発止のテンポ良いやりとりも、芸に関するぶつかり合いも見栄えのする見事なできばえに仕上がっている。
実は後年の監督作品の重さが比較的苦手な私としては、この辺のバランスが巧く取れたこの時代の作品の方が好みには合ってる。
何より戦後日本の映画館を背負って立つこととなる長谷川一夫、山田五十鈴のコンビが引き立っているので、戦前映画では特に観るべき作品の一本だろう。
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