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[コメント] シモーヌ(2002/米)

実際には存在しないCG女優を使ってのコメディという発想は面白かったですけど、どうも監督の視点が定まっていない気がしました。
ゆーこ and One thing

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 提示される題材は「わがままでやりたい放題のハリウッド俳優達に、制作者からの強烈な皮肉を一撃!」、「脚光を浴びているのは監督じゃなくて女優だった」、「失われた家族の絆」というものですが、どの主題を中心に据えて作り手がストーリーを展開したいのかがよく分かりません。どれもこれも生かそうとするあまりに、どれもこれも生かし切れずに死んでます。

 一番の元凶は「失われた家族の絆」です。タランスキーがなぜ奥さんと離婚して、また寄りを戻せるようになったのが不明瞭です。結婚していてタランスキーにべた惚れの奥さんが、監督を尊敬する言葉ばかりいうシモーヌにやきもちを焼くなら分かりますけど、一度別れた奥さんがシモーヌにやきもちを焼くなら、それ相応の理由を提示してください。この「失われた家族の絆」はラストにも悪影響を及ぼしています。

 普段は観客に見えることのない「制作者の視点」でストーリーの的を絞れば、新鮮でとても面白い作品に仕上がったと思います。

 シモーヌを演じるレイチェル・ロバーツは本当にCGのようで、不思議な雰囲気の女優でした。劇中のコンサートはどう考えてもシモーヌがCGであることがばれると思いますが、実際にはメアリー・J・ブライジが歌っている「ナチュラル・ウーマン」は素晴らしい歌でした。

(評価:★3)

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