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[コメント] ボウリング・フォー・コロンバイン(2002/カナダ=米)

日本版、不安&憎悪の広告塔、某都知事にもぜひ突撃取材を。
埴猪口

とても奇麗に撮られていて、饒舌で、編集も巧妙な為、リアリティーはあまり感じなかったが(特にカナダ取材はウソ臭い程…)、わかりやすくてエンターテイメント性が高い。これは重要な事で、問題提起やメッセージを伝えるのには、多くの人に見てもらう事がいちばんだから。難しくて観客が全てを理解できなかったり、退屈してしまうようではもったいない。

メッセージがベタすぎて、恥ずかしくなりそうな所は、笑いでカバーしている。 個人的には、監督の言う有用なユーモアをもっともっと増やしてほしい。サウスパークとの共通性も見出せるが、何かが違う。あちらの方がもっと過激に見えるが、実際は逆で、惜しいところまでいってるけど、あくまでもアメリカの一部に収まっていると思う。マットストーンのインタビューを聞いても、平均的なアメリカ人に見える。でもムーア監督は、その域をこえようとしている。自国を客観視できるのは人は意外と少ない。本人もインタビューで言っている様に、アウトサイダーでもマイノリティーでもない、普通のデブった白人が主張する事で、アメリカの世論も耳を少しは傾けようという気になるのだろう。マイノリティーや外国人の発言は全く聞いてもらえないだろうし…。頼もしいアメリカ人が出てきてくれた。暗殺されないように願う・・。

マンソンがあんなに知的で理性的な人物だったなんて…。同じロックでも、寝起きの目覚まし代わりにマシンガンをぶっぱなしてるらしいエアロスミスの連中とはえらい違いだな…。

(評価:★5)

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