[コメント] アバウト・ア・ボーイ(2002/英=米=仏)
約20年ぶりの再鑑賞。冒頭からヒュー・グラントの人物設定の非現実性や、シングルマザーに近づこうとする動機の説得力の希薄さに興醒め気味になってしまった。この20年くらいの間に、こういう如何にも作り物な設定を笑って眺める余裕が、社会にも自分にもなくなってしまったからかもしれないな。
一方で、少年クリス・ワイツと母トニ・コレットの母子のあり様には今では現実味しか感じられないし。
でも、中盤から俄然面白くなる。コレットの前夫とその両親が集まって噛み合わない会話繰り広げるあたりからかな。英国映画独特の、毒あるユーモアが効いてくる。それぞれに弱みを持った登場人物たちの気持ちが次第に通じるようになって、ベタベタしない中で互いに少しだけ救われていく匙加減が好い。"Killing Me Softly with His Song"の選曲は絶妙。
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