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[コメント] 月のひつじ(2000/豪)

ステロタイプな登場人物達が繰り広げるベタベタユーモアに、笑い転げる年配客達に混ざって、マッタリウトウト見ていると、ラストに強引がカタルシスが待っていて、思わず目が覚める。
Kavalier

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







小さな街を襲った大事件を、群像的にユーモラスに描こうとしたのだろうが、あまりに登場人物達が類型的すぎる。登場人物の心情・映画のテーマをセリフで説明してしまうのもいただけない。サム・ニール演じる館長だけは、さすがの貫禄!。2カ所用意されている、観客を知的興味に引き込むスペクタクルシーンも、2シーン共に明確なオチがないのもマイナス。

直接描かれることのない外の世界(例えばNASAであったり)と、天文台のある主人公となる街とのバランスをどう取るのか映画の成功のポイントになってくるのだが、お世辞にも上手く取れているとはいいがたい。主人公街の視点に寄りかかりすぎるあまり、NASAを騙すエピソードを入れてしまうのはどうかと思うし(彼らは、まがりなりにも科学者でNASAの科学探求に協力している以上、ここでは名誉欲と綯い交ぜになって醜悪さすら感じた)、逆にラストに唐突に「全世界感動モード」に切り替わるのどうだろうか。

ただ、直議なテーマを正面から描こうとしていることであったり、太陽のさまざまな位置に多くの形で栄える姿を見せる天文台を美しく撮影しているように、非常に丁寧に作られていることが分かる映画なので、見終わって映画そのものには非常に好感を持った。

(評価:★3)

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