内容と関係ないコメントを書いてしまったが、他の方々同様私もそう思う。あの宣伝の仕方じゃ観た人がガッカリしてしまう。ひどく残念…。確かにああいう宣伝をするには丁度いい程のパーツは揃っていたのだが…。

内容の方はと言うと…。ひどく眠かった。いや、つまらなくて眠かったのではなく、何とも言えないパチーノ視界のぐらぐら感と、腫れぼったい目(これは本当見事だ!)。不眠症…と言わなくても、24時間起きてて学校に行った時なんかは正にあんな感じになる。それを見ていたら、何とも言えずに眠くなってしまった。ある意味『メメント』同様、主人公の体験を追体験したのかも!?…と、思ったのは私だけかもしれないが。

前回までの時間軸をずらした2作品に比べると、これは大分普通にまとまった感じに見えてしまうだろうが、むしろ、そんな作品も普通に(?)撮れてしまうノーランはやはり才能アリだと思う。ありえない宣伝に誤魔化されてしまいそうだが、画面には象徴的すぎる程の見事な映像の表現がなされていて、感心するすべきところが結構ある。暗闇を知らない白夜と決して明るみに出ない罪。正義を貫く刑事と不正を正当化する犯人。眠る刑事と眠れない刑事……相反するものの数々。なかなか見事だと思うのだが。白夜を有効に使ったアイディアに感心するし、少なくとも最後まで楽しめたし、むしろこの整然としたまとまり具合には驚く。……まあ、ただあの死体は思わせ振りすぎたような気もするが……。

これからもノーランには時間軸をずらした作品で楽しませて欲しいが、こういうサスペンスもまた撮って欲しいとも思う。何にしてもこれからの彼には期待できる。そう思うと、私は今夜ぐっすり眠れそうだ!