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[コメント] パコダテ人(2001/日)

宮崎あおいがカワイイです。"しっぽ"の存在を通して描かれる家族や恋愛に感動し、とても嬉しくなった!!
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 まず、初日舞台挨拶で宮崎あおいを生で見られたのが嬉しかったです。かわいらしい子だけど、普通の子の匂いがしたところが良かったです。

 それはともかく、その宮崎あおいはこの映画でも演技力の高さを感じました。『EUREKA』や『害虫』の雰囲気とは打って変わった新しい役柄だが、表情での表現が相変わらず巧み。無言でしっかり感情を伝えてくるあたりに演技に深みを感じる。それに『害虫』の時も思ったが、彼女の感情の伝わる表情が個人的にすごく好きだ。また、珍しく笑顔もたくさん披露してくれて女の子っぽい一面を披露してくれたのも良かったです。

 映画の内容もとても良い。予告編など見る限りだともっと単純な話かと思ったが、単純な中にも予想以上に内容がしっかり詰まってた。みんなが楽しめるコメディタッチのシーンはもちろん面白いが、しんみりする音楽に函館の情景を生かした静かなシーンもなかなか良かった。冒頭、ひかるがテルテル坊主を眺めながら隼人を思うシーンや中盤ひかるが一人で屋根の上から海を眺めるシーンなど好きだ。

 また、この映画はテーマがしっかりしてると思った。しっぽが生えた人間を通して、家族愛や青春恋愛、勇気、そしてマスコミ批判まで含まれている。ひかるがマスコミの過剰報道によってちやほやされたり、バッシングされたりするのを見ると、報道へのアイロニーを感じるし、しっぽが生えてもひかるを理解しようとする家族や隼人からは色々と感じさせられる。よくある展開の映画なのだが、含まれるテーマから感動させられた。個人的に単純な話なのだが、こういう風に響くメッセージを込められると非常に弱い。相米慎二の下で学んだ前田哲監督のシーン作りの巧さも功を奏してたと思う。

 強いて言うと、ラストの政府が絡んでくるあたりは行き過ぎな印象を持つのだが、映画の全てを象徴したシーンになっているので、設定は気になりつつも感動してしまった。また、前田哲監督が「この映画を見て初めて恋愛したこととか思い出してくれたら嬉しい」見たいな事を言ってたのだが、そういう気持ちにさせられた。ひかると隼人の関係には青春を感じる。メールでのやり取りが微笑ましいし(今の時代だからこれが効果的。演出もうまい。)、ありきたりなラストとは言えふたりがしっぽを絡ませる姿を見たら嬉しくなってしまった。監督はじめ出演者がみんな言ってたけど、人を嬉しくさせる映画だと思う。

(評価:★4)

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