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[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)

観る側も惑わされ、恐怖する。しかし彼(ジョン)の魅力は何だったのだろうか?
らーふる当番

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







観る側も惑わされ、ある意味ではジョン同様の幻覚症状に陥る。ジョンの恐怖そのものが観る側の不明さに現れる。天才であるが故の苦悩。凡人ではあそこまで明確な「闇の世界と人物像」を作れないであろう。それも人生の大半において。

しかし、どうしても素直になれない。基本的にこの手の映画は好きなはずなのに・・・

もちろんジョンは主役だ。観る側の視点はジョンが中心となる。しかし物語がいくら進んでも彼の魅力を感じない。たんなるわがままで頭がいいだけのおぼっちゃん。まず身の周りにいたら嫌悪するだろう。

そもそも結婚についても妻が何に惹かれたかが明確でなかった。まあ、天才である事自体が大きな才能であり魅力であるかもしれない。しかしそれに惹かれるものは、やはり変わり者か「名前欲しさ」と思えてしまう。確かに才能あるものは才能あるものに惹かれる、そうかもしれないが...星空のシーンなどロマンティックではあるがその前後のジョンの動向からは、物語の中で作られたわざとらしさと感じてしまった。

大学に戻るエピソードにしても過去のライバルがいきなり親友となる。本当のライバルは安っぽい友達よりよっぽど絆が深くなるかもしれない。しかし私には、それをふまえても友情より同情という形に見えてしまった。

とにかくジョンの恐怖と才能よりもジョンの人間的希薄さが頭から離れない。

それでも彼と映画のメッセージを私なりに解釈。

ジョンが人生においてノーベル賞より欲しかったもの。

光:明るい未来。

チャールズ+姪:無二の親友。自分を慕ってくれる存在。自分を導くもの。

パーチャー:世の中における自分の存在価値と必要性。そしてスリル。

アリシア:人生のパートナー。

アリシアだけは現実であった。ノーベル賞でのスピーチ通り、彼はノーベル賞を取れた事よりノーベル賞という形で妻への恩返しできた事が一番幸せだったかもしれない。

※ジェニファーコネリーがやっと美貌だけでない事が証明できた役柄でそれは非常に喜ばしかった。

(この映画は事実に基づくとありますがこの感想はあくまで「映画」としての感想です。)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ニュー人生ゲーム[*] ina

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