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[コメント] リリイ・シュシュのすべて(2001/日)

2回観に行ってしまった。心にぐさぐさ光が刺さる痛みがあった。あとには映像の美、小林武の音楽美、若者の美が残った。メンタルなオカルトっていうくらい痛い。
レモン汁

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







岩井俊二は天才だ。ドキュメンタリーの。(ほめてんのか?) 岩井さんの作品ではこの作品が一番好きだ。 あたしはそんないじめにあったこともないし、 ナイフを持ち歩くような物騒な中学生活を送ったこともないけど、 どうしてこの多感な14歳の少年少女の痛々しさに共感し、涙してしまったんだろう? 主人公がたまらなくいい。 蓮見演じる市原隼人。 彼は、(彼の役は) 一見普通の、目立たない、たいしてとりえもない少年。 いじめっ子の対象にもなり、 たいして反抗も出来ずにいいなり。 自分が傷ついたり、犠牲を払うことに対しては沈黙する。 でも、クラスの少女が売春させられていたり、 好きな子がレイプされたり、 自分にとって大切な人が傷つくところを見ると 「あいつ(佐藤というまじめな男子)なら おまえのことを星野から守ってくれる」 とか、 泣きじゃくったりとか、感情をあらわにする。 そういうところから、彼のやさしさがずっしりと伝わってきて 惚。 星野にも星野なりにくるしいのだろうけれども (ある女子が「お坊ちゃま的に荒れるじゃん?」って言っていたように) いじめっ子はいじめっ子なりに悩んでいるっていうところも きちんとステキに描いていらっしゃる岩井さん。 天才。 おとなしく、目立たない少年蓮見も、 大好きな「リリイ」のファンサイト主宰なんかしているところに 人間の強さを感じます。 出ている人それぞれ いじめられていたり、自殺しちゃったり、 頭丸めちゃったり、してるけど、 芯が強い、と言うのが伝わってくる。 一人一人苦しみながらも呼吸している 本当にステキな映画でした。 余談:ユウイツ腑に落ちないのが、 題名。 「リリイ・シュシュのすべて」 べつに、リリイさんのすべてを物語っているわけではないのです。 「オール・アバウト・マイ・マザー」って言う映画、 あれは、題名のとおり、母に関する物語でしたが、 もっとしっくりくる題名、あったんじゃないでしょうかね。 なんて。えらそうに。

(評価:★5)

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