[コメント] ゴーストワールド(2000/米)
中学校の頃の私。世間を馬鹿にしたいというか、世の中間違ってるというか、「普通」に走ることを私は極端に恐れていた。キャラクターがついた商品も、その頃流行っていたビジュアル系のバンドも大嫌い。私は一人でフォークを聞いて涙したりしていた。
そしてその頃の私には、レベッカのような親友がいた。「世間の常識から外れる」ことに、私たちは大きな喜びを感じていたけど、違和感を感じ始めたのはいつの事だっただろう。気が付くと私の「レベッカ」はビジュアル系バンドにはまり、クラスで初めてPHS(←懐かしい)を持ち始め、受験勉強に没頭しだした。置いていかれる感覚。
それから、また大学で私たちは出会った。彼女は「普通」の生活を送っていた。私は未だに、世間を敵視している。彼女は就職活動を始めた。私はまだくすぶっている。
イーニドが恐れているのは、世間が自分を認めること。なぜなら、世間に認められたが最後、自分は「普通」の渦に巻き込まれるに決まっているから。傷つくのも怖い。だから逃げてしまう。その集大成があのバスなんだと思う。誰も知らないどこかへ。自分の「世間」に追いかけられない場所へ。
自分でも分かっている。「普通」を否定することで得られるものは少ない。そのことで失うものは大きく、自分の人生を生きにくくしているのは自分だということを知っている。だけど、私が間違っているんだろうか。イーニドが間違っているんだろうか。私も、そしてきっとイーニドも、私たちが歩んでいるのこそが「正しい人生」だとも思っていない。人間誰しも、生きたいようにしか生きられないのだもの。将来性の無い人生でもいいじゃないか。イーニド、あなたは間違っていない。少なくとも私は、そう思いたい。
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