[コメント] 蝶の舌(1999/スペイン)
『ユージュアル・サスペクツ』もびっくり。
この平凡な恋愛映画のような美しい映画。それだけで充分映画として成立するはずだったのに、このラスト。
少年の最後のセリフ、表情、そしてモノクロームのオープニングへと、時代と生活が見事に輪廻する。
先生と少年の会話の中でさりげなく交わされる会話に「生と死」がある。最後の最後にその意味、その感情があふれ出てくるとは、予想できない展開。そして悲劇。
この最後のモンチョ(少年)はこの後どうなってゆくのか、どういう大人になってゆくのか、これが現実というものなのか。
映像は見事なまでに見る者を優しく包む。そして豊かな自然と水。この映画の中で見るべきは当時のスペイン人の暖かく陽気な気質を音楽好きな生活観。戦争とはあらゆるものを皆無にする。そんな思いが強く残る厳しくも辛い映画だった。
見事にやられました。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。