[コメント] 十二人の怒れる男(1957/米)
被告や陪審員の人間性や事情などをあまり描かず,有罪か無罪かを追求する陪審員の姿勢一点に絞って描かれているからこそ,かえって人間味を感じさせるのだと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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息詰まる室内劇。最後まで緊迫感が持続するところはすごい。
結局,被告は「無罪と断定された」のではなく,「有罪と断定されるだけの証拠が揃っていない」から無罪になった訳で,「疑わしきは罰せず」という裁判の原則がここまで見事に貫かれているのはさすがだと思う。
映画としての出来は別として,この作品には,陪審員制度の怖さについても考えさせられた。
陪審員はごく普通の人々が選ばれているはずなのに,やけに鋭い指摘が続出したり白熱した議論が続いたりするが,これは映画だからだろうか。これがアメリカの一般庶民のレベルだとしたらすごいが,そうも思えないし。映画では確かに妥当な結論に至ったけれども,ヘンリー・フォンダ扮する男性が異論を唱えなかったら,あっというまに有罪が決まっていたと考えると,陪審員制度も難しいものだなあと思う。
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