はっきり言って素晴らしい映画だと思う。共に裕也の愛人である角ゆり子と中村れい子が、最初は憎み合っているがだんだん共感意識が生まれていくという展開が大変面白い。中村れい子はちょっと甘ったるい独特な台詞回しが良いし、カラミもエロくて最高です。

裕也に従順に従うマネージャーを演じる安岡力也も、こういう役柄が一番似合っているように思える。喧嘩強いのに何故かヘタレっぽいところが良い。

神代監督は裕也の面白いところをちゃんと分かっていて、うまく引き出せているなと思った。人通りの少ないレコード店の前で歌ったり、ヤクザみたいな客に野次られながら「与作」を歌ったり、こういう露骨に間抜けなシーンがあるだけでもこの映画は愛せる。