[コメント] ココニイルコト(2001/日)
前野くん、いい人すぎる。いつも画面の中心にいるんだもん。岩井俊二系の映画だなこりゃ。まあええんとちゃいまっか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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大阪の町、がらくた屋、流れ星、いずれも脈絡のないものをこういう形式で関連づけて映画らしく見せるとは見事というほかないですね。とても気持ちのよい映画でした。
カメラが静かに登場人物をとらえています。そして画面から優しさがこみあげてくる。流れ星が涙を流すでしょ。幼い頃の不幸な思い出、そして現実と前野くん、流れ星の涙、見事ですねこのコントラプンクト。
風船とか流れ星とかがらくたとか、いずれも子どもの頃の夢ですね。小さい頃、大人に軽蔑されるようなどうでもよいものに惹かれることってありましたよね。そして大人になって現実が目の前にあって、でも何となく憧れて、でも大人だからみっともないなあ、とか思ったりして、そういう心の動きが上手に描かれていて素敵でした。
雪の中の黒い影、そして死、プラネタリウム、窓の外の星空、そういうひとつひとつのものがとても印象的で映画的だなあと思いました。
こういう映画って天邪鬼でないと作れない。そしてしっかりしたコンテが頭の中にある人でないと、うっかりすると単純なストーリーだからしっかりした映画になりませんね。漫画の世界でもここまで見事な情景描写を行うことはできないでしょう。
長澤監督は『はつ恋』の脚本も手がけていたんですね。あの映画もジワァーっと胸をしめつけられるような映画でしたが、ここでもそういう感情の機微が伝わります。こういう映画に出会えるととても幸せな気分になりますね。
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