[コメント] オーシャンと十一人の仲間(1960/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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いわゆるシナトラ・ファミリー総動員で作られた本作。『オーシャンズ11』でリメイクされるだけのことはあり、テンポ良し、演出良し、ウィットに効いた会話良し、皮肉も良く効いて、なかなか楽しい作品に仕上がってる。しかも大物スターのそろい踏とは豪華な内容だ。
確かにアクション性は低いものの、気の利いた会話と雰囲気でいくらでもこういう作品は面白くなるものだ。今のアクション偏重の作品を見慣れてしまうと、とても新鮮。
先に挙げたように本作には色々と魅力があるけど、何より重要なのはキャラクター。シナトラファミリーそろい踏みで、特にシナトラ、マーティン、デイヴィスJrと、魅力たっぷりに魅せてくれる。てっきりデイヴィスJrはお得意のマシンガン・トークを魅せてくれるかと思ったら、今回は大変抑えが効いていているのが結構意外。
シナトラと言えば、『地上より永遠に』でマフィアとの癒着が噂されたが、ここで笑えたのは、シナトラがマフィアのことを糞味噌に言ってることだったりする。結構自分でも気にしてたのかな?又、劇中数多く歌うシーンがあるのに、シナトラ本人だけが歌わず(マーティンとデイヴィスJrが歌ってる)、ラストソングは良い所持って行ってしまったのも良し。全員役者としてちゃんと抑えるところは抑えてるってことだ。
後に『レザボア・ドッグス』(1991)にパクられたラストの人物紹介シーンはなんかとても感慨深いものがあった。妙に虚しそうな、それでもうきうきした感じで歩く全員の表情が良い。
ところで、あのラストのオチなのだが、札束が全部燃えてしまってお終い。と普通見られるけど、もうちょっと違うオチもあり得るのではないか?わざわざ札束のテープをサントスに知らせたってことは、実は燃えてるように見せかけただけって解釈も成り立つんだよね。含みを持たせたラストとして評価したい。
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