[コメント] リトル・ダンサー(2000/英)
特別奇抜なストーリーでも無いけれど作品に溢れる真摯な視点は素晴らしい。ジェイミー・ベル演じるハリウッドチャイルドとは程遠いイノセントな演技は感銘を呼ぶでしょう。
英国貧乏物ってなニュアンスがそこはかとなく漂う作品。系列としては『ブラス!』、『ケス』、『アンジェラの灰』なんかが同じ系列。けれども良く練られた人間味溢れる脚本は、少年の世界、父親の視点、家族の絆、友情、教育、労、そして未来と成功・・などすべてを削ぎ落とすこと無くギュッと無駄なく描ききります。さらに役者陣が皆、達者!。主演のジェイミー・ベルは与えられた役柄をきちんと把握し素直に颯爽と演じきり、父親のゲイリー・ルイスの息子思いの不器用な父親像は見事。ウェット過ぎない教師の像や祖母をユーモラスな象徴のアクセントに配し、敬愛する兄との関係など設定も隙が無く監督の手腕は冴えまくります。息子が黙って踊りながら父親に抗議するシーンは一種のハイライトですが、これが邦画だったら余計な台詞をベラベラ語らせてしまいそう。決してハリウッドムービーのように派手な作品ではないけれど英国はこの手の繊細な心理表現扱ったヒューマンドラマ創らせたら上手だなぁと実感。ラストがなんで??と蛇足な気もしますが混沌とした世紀末に飛び出した爽快な一作。心洗われる珠玉の作品です。ぜひ御覧あれ!!。
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