ブルース・ウィリスみたいなちょっと間抜けなヒーローももちろん好きだけど、シュワルツェネッガーみたいな無敵のヒーローも好きだよ。いずれは年老いちゃうだろうから、いつまでもそうしてくれとは言わないけど、もうしばらく無敵のヒーローぶりを見せてくれ！

　さて、ストーリーは伏線がちゃんと張られていて楽しめる。どんでん返しは予想がついてしまったが、それ自体は問題ではない。先の展開が予想できても楽しめる物語なんてたくさんある。

　ただ、僕は、こっちが本当はクローンなんだな、と読めた時点で、ラストはクローンは自ら死を選ぶのではないかとまで予想した。いや、期待したと言った方が正しいだろう。ラストでそうならなかったときは、ちょっと残念でさえあった。ハイテク嫌いで、古いテクノロジーの方が、生きている感じがする、とまで言っていたのだ。神以外に生き物の生き死にを自由にはできないと言っていたのだ。自分がクローンだと知ったときの彼の気持ちは相当なもののはずだ。

　僕も命の議論は中途半端だと思う。まあ、そこは娯楽作品だから、観客にこれくらいの感動を与えればそれでいいと思うんだけど、ラストだけは納得できない。何故あんなに簡単に自分がクローンであることを受け入れられるのか？

　必ずしも死ななくていい。説明くらいはしてほしい。自殺しようとしているクローンを、もとのシュワちゃんが止めて、「自殺も命を冒涜することだ。神以外に生物の生き死にを自由にはできない。」とでも説得すればいい。……ああ、自分で書いてて感動してしまった（笑）。

ネタバレ投票されてはいるが、としポンさんのコメントの内容には賛成したい。