[コメント] バーティカル・リミット(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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はっきり言って、救助隊側に問題があったからかと。
傾斜のある雪面にザックを無造作に置くなど、およそ考えられないこと。特に、件の人物は K2 登頂してるような人なんでしょ? これが無ければ、天候に恵まれていた事もあり、この隊は遭難現場まで到達できたと考えられる。
あと、ニトロの取扱に関して…って、保管してたパキスタン軍があそこまで無知であったとは、およそ考えられないこと。蛇足ながら、爆発でぶっ飛んだ軍司令官にドリフのコントを髣髴とさせられた…閑話休題。このニトロの取扱への無知が無ければ、もう一隊も遭難現場まで到達できたと考えられる。…って言うかさぁ、「ニトロ」って映画界における永遠の小道具なのね…またまた閑話休題。
で、最後のクレパスよりの引上げ作業。これは他の問題と比較して不可抗力とも言えないこともないが、ここでもし全救助隊員が揃っていたとしたらどうか。恐らく過半の人員 (4人?) がアンカーにまわったであろうから、遭難者2人 + 救助隊員2人 の計4名が宙吊りになったとしても持ち応えたと思われる。まともなザイルはそうそう切断するものではないし (前半遭難シーンでは、やけにアッサリ切断してたけど…)、ヒヤリとしたが全員無事救助…という按配になったと思われる。
以上のことから、二次遭難で多数の人命が失われたのは、救助隊側に問題があったからというよりない。そもそも、遭難者からして、悪天の予報を無視して強行したこと自体、問題ありあり。…つまり、登場人物の殆どが、登山家 (又は軍人) として問題ありあり = 不自然な訳。
が、この辺りの不自然さは「お約束」だと思うわけで、こういう「お約束」に基づいた「二次遭難での多数の人名喪失」に対して、マトモに感慨を抱いてもしようが無いんじゃないかなと思ったりも…。「二次遭難での多数の人名喪失」が「お約束」に基づかない現実的な不可抗力だとしたら、マトモな判断がなされる限り、そもそも救助隊は派遣されなかったか、派遣されたとしても別のより安全な手段が選ばれたはず。
つまり、この映画ってアクションを楽しむ「だけ」の作品だと思う訳で、その上でならそれなりに楽しめる作品。…が、そう書きつつも、正直、色々と思いをめぐらせてしまいました。ま、これも楽しみ方と言うことでしょうか。
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