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[コメント] ギターを持った渡り鳥(1959/日)

無国籍が無節操にまだなっていない作品。でも最大の売りが無節操だとは気づいてなかった作品。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 日活無国籍アクションというのは、古き良き西部劇の流れ(具体的には『シェーン』だが)をそのまま日本の中に持ち込んだような作品で、主に港町かそれなりに開けた田舎などを舞台にすることが多い。土地の特定を避けつつ、銃をぶっ放してもなんの問題もない。という、到底日本とは思えないようなアクションをさせることが特徴。後の東映実録シリーズなどから観ると、とてもぬるい感じの展開だが、少なくとも爽快感に関しては、間違いなく突出していて、とても安心して観ていられる作品であり、その中で主人公の強さを堪能できれば良い。むしろこれこそが最も映画らしい映画とも言えるかも知れない。

 本作はシリーズ化を最初から狙ったのかどうかは分からないが、主人公に小林旭、ヒロインに浅丘ルリ子、ライバルキャラに宍戸錠という王道を既に確立した作品と言える。  ただ、一作目と言うこともあってか、主人公の信次に影があって、親分を信用させるためとはいえ、一般市民に暴力を振るうのはちょっといただけないところだ。信次自身の設定も以降のものとは多少異なっているみたいだし。

 その影の部分が話に軽快さを無くしてしまっているのがちょっと残念。以降のシリーズではその反省からか、伸次の性格は徹底して陽性に、どんな場合でも曲がったことはやらない。という形へと変わっていくことになる。

(評価:★3)

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