[コメント] 独立少年合唱団(2000/日)
昭和49年の物語というだけでピンときた。子供だった当時の私の思い出も、この映画の色彩と同様なぜかほの暗い。
昭和30年代後半生まれで合唱部部員だった私には涙が出そうな作品
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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昭和30年代後半に生まれた自分は、昭和49年の夏に起きた三菱重工ビル爆破事件という大事件を一生忘れないだろう。時代の影響をモロに受けているかのように、大事件の記憶が学校生活の思い出や個人的な大事な思い出の一部になり、いつの間にか昭和49年を語る時、自動的にその事件の記憶も蘇るようになった。 それよりずっと昔に流行った「骨まで愛して」は大人の歌ながら子供の頃テレビで流れるとドキッとしつつも一緒に歌った。でも、子供の歌ではないと大人は嫌な顔をしていた。 そして中学にあがって入った部活動は合唱部だった…そんな小学校から中学くらいまでの昔の記憶が30代後半の自分にはぱぁっと蘇ってきた懐かしくも切ない作品。
ボーイソプラノの少年が声変わりしてしまった時、「歌なんか歌えない方がよかった」と悲痛な言葉をあげるが、彼にとってソプラノの声が失われることは生命を失うのと同じ意味を持っていたのだろう。彼が赤軍派シンパになっていくのは、いずれは警察につかまり解体される運命の赤軍派に、やがて美しい声を失う運命の自分を重ねていたからだろう。
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