[コメント] リプリー(1999/米)
映像と音楽は良かったが,主人公の描き方が中途半端な気がした。
《以下,ややネタバレがありますので,未見の方は読まないでください》
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アプローチの仕方が違うので一概に比較はできないが,『太陽がいっぱい』(ルネ・クレマン)の方がわかりやすかったと思う。主人公を大富豪の御曹司を利用してひたすら成り上がろうとする人物としてストレートに描いていたし,そうしたギラついた若者をアラン・ドロンが好演していたし。
一方,本作の主人公リプリーは,魅力的な御曹司や上流階級の生活に惹かれながら思い悩める主人公,いわば運命に翻弄される青年として描かれていたが,リプリーの描かれ方が何となく首尾一貫していないように感じられた。例えば,イタリアへ渡る前に彼がしたジャズの猛特訓はすごい執念を感じさせたので,てっきり御曹司を利用するための意図的な行動かと思って観ていたが,その後の彼の言動を見ていると必ずしもそうではなさそうだったり。
あと,オープニングタイトルでキャストとスタッフ名が流れるところは,映像といい音楽といい実にセンスが良かったと思う。
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